ご挨拶
理事長ご挨拶
阪本病院は令和6年10月1日をもって、医療法人爽神堂の一員となりました。医療法人爽神堂は、1599年(慶長4年)に浄土真宗の浄見寺境内で精神疾患患者に漢方薬や鍼灸を用いた治療を提供したことから始まりました。「自利利他」の仏教精神に基づき、精神疾患に対する治療法が乏しかった時代に患者に手を差し伸べ、以後400年以上にわたり精神科医療に専念してきました。様々な困難や時代の変化に直面しながらも、精神疾患で悩む方々を支えたいという思いでこれらを乗り越え、心のこもった医療を提供しています。
阪本病院は明治25年に「大阪癲狂院」として開設され、大阪では七山病院に次いで2番目に歴史ある病院です。この歴史ある七山病院と阪本病院が同じ法人のもとで運営されることに深いご縁を感じています。
現在、精神科疾患で通院される方の数は年々増加しています。一方で、早期診断や治療法の進歩により、入院患者数は減少傾向にあります。また、発達障害、児童思春期の精神障害、認知症、アルコールや薬物、ギャンブルの依存症など、様々な疾患が増え、きめ細やかな対応が求められるようになっています。当法人では、修正型電気けいれん療法(mECT)、クロザピン、反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)などの新しい治療法をいち早く導入し、成果を上げています。
阪本病院は大阪市内にも近く、中河内地区の中心に位置しています。今後、2次医療圏での主要な精神科病院を目指し、精神科救急や地域移行に向けた取り組みに力を入れるとともに、認知症や児童思春期疾患など、幅広い疾患に対応できる体制を整えていきたいと考えています。
医療法人 爽神堂
理事長 本多 義治
院長ご挨拶
当院は明治25年に創設された歴史ある精神科の病院です。伝統的に人の心を大切にする医療を続けてきました。従来からの精神疾患の方の治療に加えて、高齢の方の認知症にも対応しています。病床数は312床で、通常の精神科病棟に加えて、急性の精神疾患の方の治療に特化した急性期病棟、認知症の方を治療する認知症病棟があります。大阪市内から近く、近鉄長瀬駅から7分と交通の便も良いのも特徴です。
私は平成30年11月1日に阪本病院院長に就任しましたが、平成30年4月1日から阪本病院で勤務しています。それまで15年間はNTT西日本大阪病院で心療内科部長をしておりました。転勤してから一番驚いたのは、全ての職員が患者さんの心を大切にしているという点です。精神科の患者は、奇妙な訴えをすることも多いのですが、当院の職員は患者さんの訴えに真剣に対応していました。それを見て阪本病院は心の治療を大切にする病院なんだと感心しました。
科学的な視点と平静な心が、心の治療者には求められます。怒りや憎しみのような感情を持ってしまうと、どうしても視点が歪んでしまい、科学的な対応ができません。また特定の患者に対する愛情が強すぎると、依怙贔屓になってしまって、やはり歪んだ医療になります。自分自身の精神状態を平静に保って、患者に対して平等に愛情を持って、科学的に対応するのが理想です。職員全員がそこを目標に、精神医療をやっていきたいと思います。
医療法人 爽神堂 阪本病院
院長 胡谷 和彦